夏の甲子園は智弁和歌山の優勝で幕を閉じた。話題となった智弁学園との「智弁対決」に9-2で勝利したが、セ・リーグのスカウトの1人は「点差ほどの力の差はなかった」と指摘する。
決勝戦を終え、点差が開いた理由に試合数の違いを挙げる声は少なくない。1回戦から勝ち抜いた智弁学園は、決勝を含めて計6試合を戦った。一方、初戦の2回戦が不戦勝だった智弁和歌山は計4試合と、智弁学園より2試合少ない。選手の疲労が、パフォーマンスに影響したという論調だ。
ただ、このスカウトは「疲労の蓄積よりも、期間の違いの方が大きい」とみている。智弁学園の初戦は8月11日。29日の決勝まで19日間、試合の緊張感を保つ必要があった。
「チーム力は他の強豪校と比べても頭1つ、2つ抜けていた」
一方の智弁和歌山の初戦は24日で、決勝まで6日間と短期決戦だった。プロを含めた野球経験から「疲労の面なら6日間で4試合する方がきつい。ただ、気持ちが高まったまま試合をできるので疲れを感じない。智弁学園が大変なのは、3週間近く気持ちと調子を維持すること」と指摘する。
そして、打線が上り調子で決勝を迎えた智弁和歌山に対し、智弁学園はピークを過ぎていたという。智弁学園は決勝戦で、打者有利のカウントから甘い球を見逃す場面が多く「自分の調子が落ちている感覚だったため、自信を持てずに四球を狙っている打者が多い印象を受けた」と話した。
しかし、日程を同じ条件に組み直して決勝をやったとしても、智弁和歌山の優位は動かないと断言し「チーム力は他の強豪校と比べても、頭1つ、2つ抜けていた。中谷監督のチーム作りは、これから甲子園で上位に進むためのヒントが詰まっていた」と評する。
就任3年で全国の頂点に立った智弁和歌山・中谷仁監督は「高嶋前監督の野球を全て継承するつもりでやっていて、まだまだ自分の指導方針はない」と謙遜したが、その色ははっきり表れているという。大きな特徴を3つ挙げた。※以下、スカウトの一人称の発言。
(1)勝ち上がる力
甲子園で決勝に進むためには、連戦を含めて短い期間で連勝を重ねていく必要がある。1試合に「勝つ力」だけではなく「勝ち上がる力」が求められる。
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