白血病から復帰し、女子400メートルメドレーリレーの東京五輪代表に内定した池江璃花子(20=ルネサンス)が、日本だけでなく世界の話題をさらった。「今凄く幸せ」と歓喜の涙を流した女子100メートルバタフライ決勝での劇的優勝から一夜明けた5日、欧米主要メディアをはじめとする世界各国からの取材依頼が殺到していることが判明。関係者は「国内はもちろん、米国、英国、スペインなど世界中からインタビューなどの依頼が来ています。全てに対応することは不可能な状況です」と明かした。
決勝レース直後から海外メディアは池江の劇的な復活劇を速報。英BBC、米NBC、米CNNなどに加え、UAEガルフニュース、米水泳専門誌スイムスワムなどが快挙を報じた。さらに国際オリンピック委員会(IOC)も公式ツイッターでバッハ会長のメッセージを投稿。「オリンピアンたちは決して諦めない。池江は白血病と診断されてから、わずか2年で東京五輪の出場権を得た。東京で会うことが待ち切れない」と祝福した。IOCトップが個人の代表内定に言及するのは異例だ。
日本選手権は8日間の長丁場の戦い。池江は100メートル自由形(8日決勝)、50メートル自由形と非五輪種目の50メートルバタフライ(ともに10日決勝)にも出場予定。エントリーした4種目の中で最も消耗の激しい100メートルバタフライを制したことで、4冠も現実味を帯びてきた。世界に渦巻く“池江フィーバー”は、しばらく続きそうだ。
≪白血病に詳しい医師「奇跡としか」≫白血病に詳しい東京・江戸川病院の腫瘍血液内科の明星智洋部長(44)は「レース出場だけでも信じ難いのに、五輪派遣標準記録を突破するのは奇跡としか言いようがない」と池江を称えた。池江は19年夏に造血幹細胞移植を受けて1年以上の検査と治療が必要で、その後の短期間で筋力を戻すには「素質より本人の熱い気持ちがないとあり得ない」。白血病寛解には定期的な検査が必要で、多くの患者を担当する明星氏は「この病気は助かるんだと勇気づけてほしい」と願った。
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