超豪華メンバーによる頂上決戦を制したのは、無敗の三冠馬でもなければ、「3階級制覇」を狙った最優秀短距離馬でもなかった。
第65回大阪杯(4月4日、阪神芝内回り2000m、4歳以上GI)で、川田将雅が騎乗する4番人気のレイパパレ(牝4歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)が2着を4馬身突き放して優勝。デビューから無傷の6連勝で、GI初制覇を遂げた。
重馬場も「二強」の支持は変わらなかった
降りつづく雨が午後から強まり、阪神競馬場の芝コースを重馬場のコンディションにしていた。
それでも、昨年史上3頭目の無敗の三冠馬となった福永祐一のコントレイルが単勝1.8倍の1番人気。史上初のスプリントGIとマイルGI、中距離GIの「3階級制覇」狙うクリストフ・ルメールのグランアレグリアが単勝2.8倍の2番人気と、「二強」の支持は揺るがなかった。
ゲートが開いた。コントレイルもグランアレグリアも、他馬と横並びのいいスタートを切った。
それに対してレイパパレは、ゲートからの1完歩目で外にモタれて立ち遅れそうになったが、すぐさま川田が手綱の操作と体重移動で軌道を修正。その後は無理に促すことなくスピードに乗せ、正面スタンド前でハナに立った。川田はこう振り返る。
「いい返し馬ができ、この雰囲気ならいい走りをしてくれるだろうと思ってゲートを出ました。馬場的にも、周りの馬的にも、スムーズにハナまで行ってしまうことを選択しました」
レイパパレが単騎先頭のまま1、2コーナーを回り、向正面へ。
馬群は縦長になり、グランアレグリアはレイパパレから5馬身ほど離れた5番手。コントレイルはそこからさらに5馬身ほど後ろにつけている。
1000m通過は59秒8。馬場状態を考えると、かなり速い流れだ。
「この馬が力みすぎない程度に走った結果がその時計でした」と川田。
鞍上の感覚としては、楽に刻んだラップだったのだろう。
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