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- 日銀の金利政策修正を受けて、この春に主要銀行の定期預金金利は大きく動く。それから3カ月近くが経過し、再び膠着状態に陥った。
- しかし、金利を下げるところはどこもなく、一部のネット銀行はさらに有利な設定を設けている。
- 次なる日銀総裁発言や政権運営の動向など、きっかけさえあればまた動き出す可能性をはらんでいるようだ。
「金利のある世界」は、どこへ行った?
この春、大きく修正された日銀の金利政策。それを受けて、主要銀行の定期預金金利も前月比で20倍に跳ね上がった。しかし、それからさらに3カ月近くが経過した現在、当初の勢いとは裏腹に金利動向は再び膠着状態に陥っている。
6月13日・14日に行われた日銀金融政策決定会合後の植田和男総裁の会見では、日銀による国債の買い入れ規模を減らす方針が注目された。その直後における主要銀行の定期預金金利はどうなったのか?
メガバンク・ゆうちょは一旦高止まり
こと預金金利に関しては、マイナス金利政策解除後の動きが素早かったメガバンク各行。
特に三菱UFJ銀行が、ネットバンクを含めた各行に先駆けて普通預金、定期預金ともにいち早く金利を20倍の水準まで上昇させたのは、印象的だった。実際、2024年6月現在の銀行預金金利は「普通預金金利0.020%」「定期預金金利0.025%~0.300%」が基準となっている。それは、三菱UFJ銀行が3月下旬に引き上げた金利に他行が追随した結果だ。
しかし、それ以降、メガバンクの定期預金金利には一切の変化が見られていない。
通常貯金金利 | 定期預金金利 | 5年定期 | 10年定期 | |
---|---|---|---|---|
ゆうちょ銀行 | 0.020% | 0.025%〜0.200% | 0.200% | - |
メガバンクに足並みを合わせているゆうちょ銀行も同様だ。4月8日に貯金金利引き上げを行なったのち、いっさい金利を上下させていない。10年定期の設定こそないが、通常預金(普通預金)・定期貯金(定期預金)ともにメガバンク3行とまったく同等の金利水準を維持している。
大手地方銀行も無風状態をキープ
3月のマイナス金利政策の解除後、タイミングこそバラつきが見られたが、4月の後半までにはメガバンクとまったく同じ水準にしてきた大手地方銀行たち。メガバンク同様、前回調査時と完全に一致するデータとなった。
ネットバンクには少し有利な設定も
いっぽう、マイナス金利政策の解除後も動きが緩やかであったり、あるいはまったく対応していないように見受けられたりする銀行も散見されるのが、ネットバンクだ。他行と横並びになりがちな金利水準より、独自サービスで勝負する個性的な銀行が存在していることのあらわれなのかもしれない。
もちろん、三菱UFJ銀行と同タイミングで預金金利引き上げを実施したPayPay銀行をはじめ、楽天銀行や住信SBI銀行、auじぶん銀行などではわずかながらメガバンクよりも有利な金利設定が見受けられる。
すこしでも預金金利が高い銀行を見つけたい、という人は現在のネットバンク金利を一度チェックしてみるのが良いだろう。
まとめ
振り返ってみると、メガバンク、ゆうちょ銀行、大手地方銀行はここ2カ月間で金利水準がまったく変動していない。「金利ある日本経済がやってくる」なんて言葉ばかりで、たいした変化が起きていないと考える向きもあることだろう。
しかし、ここでは前回調査時からの2カ月で、金利の低下が見られた銀行・商品がないことにも注目したい。
これまでの定点観測ではネットバンクの定期預金を中心に、ごく一部だが金利が低下する項目がちらほら見られたところが、ネットバンク以外はまったく同じ金利をキープ。細かな変動が比較的多いネットバンクでも、維持あるいは上昇しているというのが、ここ2カ月間の銀行金利動向だ。
次なる日銀総裁発言や政権運営の動向など、きっかけさえあればまた動き出す可能性をはらんでいるのが、現在の国内金利を取り巻く状況といえるのかもしれない。 今後も引き続き、定点観測を続けていく。
からの記事と詳細 ( 2024年6月、銀行「預金金利」は何%になった? メガバンク・大手地銀・ネットバンクで比較してみた - Business Insider Japan )
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