普通預金金利は、年利0.020%が当たり前という状況になっている。
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- マイナス金利政策解除から1カ月が経過し、銀行の預金金利は軒並み上昇している。
- 特にメガバンクとゆうちょ銀行、大手地方銀行の預金金利は20倍に跳ね上がり、現在では年利0.020%が当たり前という状況だ。
- インターネット専業銀行も全体的に金利上昇傾向にあるものの、これまで通り各行がそれぞれに違った動きを見せている。
日銀は4月25日・26日の金融政策決定会合において、政策金利の誘導目標を「据え置く」決定を下した。つまり、前回3月の会合でマイナス金利政策解除を決定したが、実際に「金利ある世界」への移行はまだ進みそうにないということだ。
その一方、マイナス金利解除を受け、初手からアクセルをしっかり踏んでいるのが、メガバンクをはじめとする銀行業界だ。三菱UFJ銀行が先鞭をつけ普通預金金利を引き上げたことに呼応し、その他メガバンクとゆうちょ銀行、大手地方銀行の預金金利が一斉に上昇。特に普通預金金利は前月比20倍にまで一気に跳ね上がり、年利0.020%が当たり前という状況になっている。
今後に向けた日銀の思惑はともかく、銀行預金金利の実像は、すでに3月からの1カ月だけでも大きく様変わりした。そんな2024年4月27日時点の主要銀行の預金金利をまとめた。
メガバン・ゆうちょは足並みを揃える
2024年3月のマイナス金利政策解除を受け、まっさきに預金金利引き上げの動きを見せたのが、三菱UFJ銀行だった。
その後まもなく、三井住友銀行とみずほ銀行も金利改定を行なったことで、メガバンク3行の2024年4月時点における預金金利は、普通預金金利が前月比で20倍の0.020%、定期預金金利も前月比12.5倍〜1.5倍水準の0.025%~0.300%になっている。
さらにゆうちょ銀行も、メガバンクと同等の貯金金利(預金金利)への引き上げを4月8日に実施した。
普通貯金金利 | 定期貯金金利 | 5年定期 | 10年定期 | |
---|---|---|---|---|
ゆうちょ銀行 | 0.020% | 0.025%〜0.200% | 0.200% | - |
ここで特筆すべきポイントは、ゆうちょ銀行Webサイトの「よくある質問」に、貯金金利の引き上げ(2024年4月8日実施)について、詳しく教えてほしいという項目が追加されたことだ。ここでは、金利引き上げの内容について、過去に預け入れた貯金の金利はどうなるのか、次回の金利引き上げはいつなのか、といった質問にQ&A形式で答えている。
大手地銀もメガバンへの追随完了
地方銀行でもこの1カ月間では、メガバンク預金金利に合わせた金利引き上げが各行で順次実施された。
これにより、大手地方銀行6行の普通預金金利はメガバンクおよびゆうちょ銀行とまったく同じになった。また、定期預金金利もほぼ同等に引き上げられた状況だ。
ネットバンクは個々に独自の動き
これまでも独自の金利とサービスを提供してきたインターネット専業銀行(ネットバンク)。マイナス金利政策解除が表明されてからの1カ月間の動向も、各行がそれぞれに違った動きを見せている。
全体的に上昇傾向にあるが、メガバンクや大手地銀のように一斉に足並みを揃える形ではない。PayPay銀行のように全体的に上向き改定を行ったところもあれば、逆にソニー銀行のように定期預金の一部で金利を下げたところもあった。
また、現在のスタンダードとなった「普通預金金利0.020%」をかねてより実現していた楽天銀行が、この1カ月間でまったく動きがなかったことにも注目したい。ネットバンクについては、金利面での優位性以外の新たな付加価値あるサービスを打ち出してくる可能性もあるだろう。
まとめ
先月マイナス金利政策の解除を発表した際、日銀・植田和男総裁は「今回の措置を受けて預金金利が大幅に上昇するとは見ていない」「当面は緩和的な金融環境が継続していく」との考えを示した。その言葉通り、政策金利の誘導目標据え置きなどのコントロールをしながら、段階的に金利ある日本経済を実現するのが、日銀が目指す道筋なのだろう。
なにより、落ち着く気配のない円安、物価高と賃上げの状況、そしていまだ高水準の米国の金利など、経済を取り巻く周辺環境は極めて複雑なままだ。様々な側面から経済ニュースを注視しつつ、金利についてウォッチしていく必要があるだろう。
今後も引き続き、こうした銀行預金金利についての定点観測を続けていく。
からの記事と詳細 ( いまや年利0.020%が当たり前、銀行「預金金利」はどうなった? 2024年4月最新状況まとめ - Business Insider Japan )
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