ゆうちょ銀行は1月15日、初の定期貯金金利引き上げを行った。
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- メガバンク3行は、10年定期の金利が0.200%の横並びとなった。
- 大手地方銀行6行も、メガバンクと歩調を合わせた形で、それぞれ金利を上昇させている。
- 一方、意外にもネットバンクでは大きな数字の変化が見られることはなかった。
日本の銀行預金金利という錆びつきかけた歯車が、ふたたび回り始めたようだ。
2023年からの長期金利上昇を受け、メガバンクや地方銀行の一部が定期預金の金利を引き上げる動きを見せている。1月15日にはゆうちょ銀行も、これまで0.002%だった5年定期貯金の金利を35倍に0.070%へと大幅に引き上げた。
通常貯金金利 | 定期貯金金利 | 5年定期 | 10年定期 | |
---|---|---|---|---|
ゆうちょ銀行 | 0.001% | 0.002%~0.070% | 0.070% | - |
マイナス金利政策が解除される未来がチラ見えするなか、主要銀行の預金金利はどうなっているのか。ゆうちょ銀行にくわえ、メガバンクと大手地銀、そして主要ネット銀行の定期預金金利を俯瞰してみよう。
メガバンクの10年金利が0.2%で横並びに!
10年定期の金利が0.200%の横並びとなったメガバンク3行。金利引き上げで先行していた三菱UFJ銀行に、みずほ銀行と三井住友銀行が追いついた形だ。みずほ銀行のみ5年定期の金利が0.075%となっているが、定期預金の金利レンジは0.002%から0.200%で足並みがそろった。
長期金利と連動しない普通預金金利については、従来通り各行とも0.001%のままだ。
大手地方銀行もメガバンクと歩調を合わせる
大手地方銀行6行は、定期預金の金利レンジ上下限と5年定期、普通預金いずれの金利でも、メガバンクと歩調を合わせた0.002%~0.200%だ。各行とも、長期の定期預金金利が前回調査時より上昇している。
ネットバンクはいまだ静観の構え
メガバンクや地銀で長期の定期預金金利が引き上げられる一方、意外にもネットバンクでは大きな数字の変化が見られることはなかった。
この調査で定点観測しているネットバンク9行のうち、前回調査時比で預金金利に変化があったのは、大和ネクスト銀行の5年定期預金だけ。自社サービスとの組み合わせによる金利優遇などの独自サービスで切磋琢磨してきたネットバンクにとって、外的要因による金利引き上げはまだ先ということなのだろうか。
「金利のある世界」の入り口が見えてきた
今回のゆうちょ銀行の定期貯金金利引き上げは、郵政民営化直前の2007年6月以来、実に16年半ぶり。つまり、ゆうちょ銀行となってからは初の定期貯金金利引き上げとなった。
そして、今後の金利動向の鍵となるマイナス金利政策が始まったのは、郵政民営化から8年が経過した2016年2月。こうした歴史上の点と点がつながって、いよいよ2024年はマイナス金利政策が解除され「金利のある世界」が再来するのかもしれない。
マイナス金利政策解除の条件
なお、日銀がマイナス金利政策解除の条件としているのは、持続的安定的な物価安定目標2%の実現だ。 日銀の植田総裁は「賃金と物価の好循環が強まるか確認したい」として、1月23日の定例会見ではマイナス金利政策の解除に慎重な姿勢を崩すことはなかった。だが、物価の上昇や春闘に向けた賃上げムードなど、マイナス金利解除への材料は着実に揃いつつある状況ではある。
こうした背景を注視しつつ、今後も銀行預金金利についての定点観測を続けていく。
からの記事と詳細 ( 2024年1月、各銀行の「預金金利」はいくらになった? ゆうちょ銀行、初の定期金利引き上げも - Business Insider Japan )
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