前回はお金に関する知識があると、自立して生活していくうえで良いことがたくさんあることを学びました。今回は資産形成するための金融商品の種類について学んでいきましょう!
主な金融商品は4種類
1.預金(貯金)
預金とは、銀行や信用金庫にお金を預けること。
ちなみに、ゆうちょ銀行に預けることは「貯金」と呼んでいます。
みなさんも、銀行に口座を作ってお金を預けた経験があることでしょう。会社員の方なら、お給料は直接銀行の口座に振り込まれることも多いですよね。
預金の大きな特徴は、元本が保証されていること。つまり、預けたお金がそれ以上減ることはない、ということです。
普通預金
預金にはいくつか種類がありますが、最もポピュラーなのは「普通預金」です。
普通預金の口座を作ると、キャッシュカードがもらえます。
キャッシュカードを使えば、銀行やコンビニにあるATMで簡単にお金を下ろせるのでとっても便利です。
定期預金
また「定期預金」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
定期預金は、1年や3年など、期間を指定してまとまったお金を預けるものです。
銀行にお金を一定期間預けておくと、その期間と金額に応じて「利息」というお金がもらえます。
定期預金は、普通預金と比べると利息が少し多めにもらえるため、しばらく使わないお金は定期預金に預ける、という方が多いです。
また、あえてキャッシュカードが作れない定期預金に預けることで、将来のために必要なお金をうっかり使ってしまうことを防ぐ、という使い方をしている方もいます。
積立定期預金
毎月決まった日に一定額を普通預金から移動させて積み立てていく「積立定期預金」といったものもあります。
使い道や自身の状況に合った預金を選んでみてくださいね。
2.株式
株式は、会社を作るため、または会社が活動するための資金を集める目的で発行されます。
株式を購入した人は「株主」と呼ばれます。
株式を買うというのは、その会社が成長し発展するためにお金を出して助けてあげるということ。
会社を助ける代わりに、株主は3つの権利を得ることができます。
株主がもらえる3つの権利
1つ目は、会社の経営について話し合う会議「株主総会」に参加して、意見を言う権利。
2つ目は、会社の経営がうまくいってもうかったときに、利益の一部(配当金)をもらえる権利。
3つ目は、その会社の製品やサービス券などがもらえる権利です。
株価
株式は、いつでも一定の値段で買えるわけではありません。
会社の業績や景気が変わるにつれて、株式の価値、つまり「株価」は上下します。この株価の動きを使って、資産を増やすことができます。
「株でもうける」という言葉を聞いたことがありませんか?
これを簡単に説明すると、株価が安いときに株式を買って、高くなったときに株式を売る、という方法のこと。
買った時の値段と、売ったときの値段の差がもうけになるのです。
この他に、先ほど紹介した3つの権利の1つ「配当金でもうける」という方法もあります。
ただ、株を買えば必ずもうかるということはありません。
株価が上がったら売ろうと思っていたのに、いくら待っても買ったときの株価を上回ることがなく、結局損してしまう、なんてことも。
また、会社が破産してしまった場合、株式の価値がゼロとなってしまう可能性があるため、注意が必要です。
3.債券
債券とは、国や会社が資金を借りるために発行するものです。
これだけ聞くと、株式と似ているように思えますよね。株式との違いは満期があるということ。
株式は価格がどんどん変動していくため、将来どれくらいの株価になるのか予想するのは難しいです。
一方、債券は発行したときに買って満期まで持っていれば、基本的には元手として支払った金額がそのまま戻ってきます。
債券でどうやってもうけるの?
では、債券でどのようにもうけるのでしょうか?それは、利息です。債券を購入すると、定期的にクーポンと呼ばれる利息がもらえるのです。
決められた期間持っていれば元本は全て戻ってきて、定期的に利息がもらえる……。
価格が下がってしまうかもしれない株式と比べると、債券のほうが安全なように思えますね。
「なるべく慎重に、安全に運用したい」と思っている方には、債券がおすすめできるでしょう。
ただ、債券はリスクが小さい分、得られるもうけも限られています。
「価格が下がっちゃうおそれがあってもいいから、たくさん利益を出したい!」という方には、債券は物足りないかもしれません。
また、先ほど「決められた期間持っていれば元本は全て戻ってきて、定期的に利息がもらえる」とお話しましたが、発行した会社が倒産してしまうと、戻ってこない可能性も。
経営が安定していて、倒産しにくいと考えられる会社を選ぶ必要があります。
国が潰れてしまう可能性は低いですよね。そのため、会社が発行する債券(社債)に比べて、国が発行している債券(国債)は、安全性が高いといわれています。
また、理由は省略しますが、理論上は株式と債券の価格は逆の動きをするといわれています。
つまり、株式の価格が上がれば債券の価格は下がり、債券の価格が上がれば株式の価格は下がる…というわけです。
ただ、あくまでも「理論上は」逆になるということなので、実際はそうでない場合もあります。
投資信託
投資信託は、先ほど説明した株式や債券などの金融商品を集めてパックにしたもの、というイメージです。
多くの人に投資信託を買ってもらうことによって資金を集め、それを投資のプロがさまざまな株式や債券、不動産などに投資して、運用します。
運用して利益が出たら、その分は投資信託を買ってくれた方々に還元します。
「株式や債券とは何が違うの?」「なぜ、わざわざパックにして販売するの?」など、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
先ほど説明した株式・債券と投資信託の違いは、大きく分けて3つあります。
株式・債券と投資信託の違い
1つ目は、少ない金額から投資できること。
1つの株式を購入するのには、最低数万円から数十万円かかります。
投資信託の場合、たくさんの人から少しずつ資金を集めて、それをもとに専門家が投資を行うので、1人が出す資金は少しでも大丈夫。
最低資金5,000円〜10,000円程度から購入できることが多いです。
金融機関によっては、なんと100円からはじめられる、という場合も!
「投資に興味があるけど、いきなり大きいお金を使うのは不安」と感じている方でも、少ない金額からだったら気軽に始められますね。
2つ目は、さまざまな会社に投資できること。
後で詳しく説明しますが、同じ会社の株や債券ばかりに投資するよりも、いくつかの株や債券に分けて投資したほうがリスクも少なく、安全に運用できるといわれています。
しかし、1つの会社の株式や債券を購入するのにもまとまったお金が必要ですから、さまざまな会社のものを複数買うのはなかなか大変。
投資信託なら、多くの人からお金を集めて1つの資金としているため、1人の資金が少なくてもさまざまな株式や債券に投資することができます。
買うのが難しい外国の株式や債券も、それらが含まれている投資信託の商品(ファンド)を選ぶだけで購入できちゃいます。
3つ目の違いは、プロに運用をお任せできること。
株式や債券の場合、自分で企業の情報を集めて商品を選ぶ必要があります。
購入後も日々値動きを確認しなければならないため、投資の知識がない場合や、忙しくて株価を確認する暇がないという場合、少しハードルが高いと思うかもしれません。
投資信託の場合、商品さえ決めてしまえば、その後は専門家にお任せすれば大丈夫。
投資のプロが、会社に訪問したりデータを分析したりして投資先や方針を決め、責任を持って運用してくれます。投資信託はその名の通り、投資を「信じて託す」商品ということですね。
ただ、プロにお任せするということですから、その分の手数料を払う必要があります。
また、いくら専門家にお任せしているからといって「必ずもうかる」なんてことは決してありません。
株式投資と同じように、元本割れで損してしまう可能性もあるということを覚えておいてください。
今お話した3つ「少ない金額から投資できる」「さまざまな会社に投資できるからリスクが低い」「プロに運用をおまかせできる」、これらの特徴があることから、投資信託はどちらかというと初心者に向いている商品といえるでしょう。
次回は、金融商品を選ぶために知っておきたいことを詳しく見ていきましょう!
(金融まなぶ)
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