Serena Lisa: 中国の貯蓄、2000兆円超に膨らむ－不動産購入にも株式投資にも動けず

Tuesday, May 24, 2022

中国の貯蓄、2000兆円超に膨らむ－不動産購入にも株式投資にも動けず - ブルームバーグ

serenalisa.blogspot.com

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。

何十年にもわたり、中国の一般家庭が資産を増やして将来の経済的安定を確保するための最も確実な方法は、資金の大部分を不動産購入に充て、残りを株式市場に投資することだった。

　　しかし今や、資金に余裕のある人でさえ現金保有を続けており、新型コロナウイルス感染拡大の打撃を受けた中国経済に賭けようとしていない。

　　中国の住宅価格は昨年９月以降下落しているほか、同国の株式や投資信託も最近ではあまり良い投資先ではない。また、国外市場にほとんどアクセスできない上に、暗号資産（仮想通貨）は公式に違法だ。その代わり、預金金利が記録的な低水準にとどまっているにもかかわらず、普通預金口座に資金を寝かせている人が増えている。

　　上海の銀行幹部、ハリー・コンさんは、株式市場で昨年得た利益がすべて消失し、20年間の株式投資で最も悲観的になっていると述べた。

　　コンさんは「今年私にできるのは特に何もせずに、大手銀行に貯金することだ」とし、「たとえ預金金利が低くても、少なくとも安全だからだ」と話す。

Housing Doldrums

Prices of China's new-home sales slumped further in April

Source: China National Bureau of Statistics

　　コンさんら中国の人々は、将来の計画を立てるのに極めて困難で不確実な環境に生きている。新型コロナ対策としての制限措置が国内の大部分の大都市で実施され、確実な終わりが見えていない。

　　一部のアナリストは、中国の今年の経済成長率が４％余りになると予想しているが、ブルームバーグのエコノミストは政府目標の5.5％を大きく下回る２％にとどまると予測している。中国株は弱気相場入りしており、本土株の指標、ＣＳＩ300指数は年初来で約18％下落。厳格な「ゼロコロナ」政策と民間企業の締め付けが重なり、投資家の信頼が損なわれている。

中国経済見通しの引き下げ相次ぐ－今年２％成長との予想も

　　こうした状況の中、中国の銀行の貯蓄預金は４月末時点で109兆2000億元（約2090兆円）に膨らんだ。既に世界で最も貯蓄率の高い国の一つである中国の預金は１－４月に７％増加。前年同期は5.5％増だった。