上半期最後の大一番を締めくくったのは、ファン投票1位でレースでも1番人気に推されたクロノジェネシス。スピードシンボリ、グラスワンダーに続く史上3頭目、牝馬では史上初となるグランプリ3連覇を成し遂げた。エスコートしたルメールは当レース初勝利。21年のG1・4勝目を上げた。2着は7番人気の伏兵ユニコーンライオン。2番人気のレイパパレは3着に敗れ、連勝は6でストップした。
海外帰り、乗り代わり-。戦前にささやかれていた不安要素を難なくはねのけ、ファン投票1位、レースでも1番人気に支持されたクロノジェネシスが、牝馬初のドリームレース3連覇を達成した。
課題のゲートを難なくクリアすると、4番手で1角をパス。好位でピタリと折り合い、2番人気馬レイパパレをマークする形で進めた。直線に向いて追いだしを開始。逃げるユニコーンライオン、レイパパレを射程圏に捉えたところで、新コンビのルメールはムチを1発、2発。涼しい顔で2頭をかわし、2馬身半差をつけて栄光のゴールに飛び込んだ。
これでJRA・G1・39勝となった名手も宝塚記念制覇はこれが初めて。両手を挙げて喜びを爆発させ、「毎年、勝てていないG1を勝つのが目標。良かったです」と目尻を下げる。「道中も焦りはなかったです。キセキは外を走っていて疲れそうだなと。だから3、4角でレイパパレの外に出せると思っていました」。全ては想定通り。巧みな手綱さばきでVへとエスコートした。
斉藤崇師も安どの表情だ。「ホッとしました。いろんな不安要素があった中でこうやって勝てて良かったです」。ドバイ遠征から帰国後は馬体重が約450キロまで減り、「宝塚記念に間に合わないかもしれない」と思ったこともあったという。さらに「いつも(馬に)付き添ってくれていた」という北村友の戦線離脱。尽きぬ心配に戦前まで表情は暗かったが、それらを一蹴する快勝劇に笑みがこぼれた。
指揮官は明言こそ避けたが、今秋は登録を済ませている凱旋門賞・G1(10月3日・仏パリロンシャン)への期待も高まるばかりだ。「いい結果を出せると思う。バゴの子ですから、馬場が重くても全然問題ない。いい挑戦ですね」と、鞍上は自身の母国での頂上決戦に思いをはせた。もう国内に敵はなし。秋はまだ見ぬ世界のライバルたちを蹴散らしてみせる。
提供:デイリースポーツ
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