楽天証券では、証券口座を楽天銀行の普通預金口座と連携できるマネーブリッジというサービスを利用することができます。マネーブリッジは証券口座と預金口座間の資金移動が便利になるだけでなく、普通預金口座の利率も優遇されるなど、利用者にとってメリットの多いサービスです。
そこでこの記事では、楽天証券のマネーブリッジの特徴、メリット・デメリット、始め方について詳しくご紹介します。証券口座への入金作業を簡単にしたい方、入出金の手数料を無料にしたい方は、参考にしてみてください。
※本記事は2021年4月時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用を判断ください。
目次
- 楽天証券のマネーブリッジとは
1-1.優遇金利の適用
1-2.自動入出金(スイープ)
1-3.らくらく入出金
1-4.ハッピープログラム
1-5.残高表示サービス
1-6.投資あんしんサービス - 楽天証券のマネーブリッジのメリット
2-1.優遇金利0.1%
2-2.待機資金にも金利が付く
2-3.投資商品の購入が手軽になる
2-4.ハッピープログラムで楽天ポイントが貯まる - 楽天証券のマネーブリッジのデメリット
3-1.銀行預金の残高が自動的に少なくなる・無くなる
3-2.入出金を行えない時間帯がある - 楽天証券のマネーブリッジの評判
- 楽天証券のマネーブリッジの始め方
- まとめ
1 楽天証券のマネーブリッジとは
楽天証券のマネーブリッジとは、楽天証券と楽天銀行の口座を連携させることで利用できるサービスの総称です。こちらでは、マネーブリッジを申し込むことによって利用できる6つのサービスについてその特徴をご紹介します。
1-1 優遇金利の適用
楽天証券のマネーブリッジを申し込むと、楽天銀行の普通預金口座に優遇金利が適用されます。もともと、楽天銀行の普通預金利率は0.02%と大手銀行(0.001%)と比べて高いのが強みですが、マネーブリッジの優遇金利が適用されると0.1%に上がります。楽天銀行と連携させることで外貨預金並の利息を受け取れるのがマネーブリッジの大きな特徴です。
1-2 自動入出金(スイープ)
マネーブリッジを申し込むと、楽天証券での買い注文時に不足資金を楽天銀行の普通預金口座から自動入金(スイープ)できます。自動入金の利用には楽天証券での事前設定が必要ですが、楽天銀行の口座にお金が入っていれば、振込手数料などを負担することなく、証券口座の買付可能額として自動的に反映される仕組みとなっています。
また、入金と同様に楽天証券の証券口座から楽天銀行の普通預金口座へ自動出金を設定することも可能です。これにより、証券口座に置いてある資金を自動的に楽天銀行の普通預金口座に振り替えることも可能で、証券口座に置いたままだと金利が付かない資金も、この設定をしておくことで上記の優遇金利で預金利息が付利されるようになります。
1-3 らくらく入出金
マネーブリッジでは、原則24時間手数料をかけることなくリアルタイムに資金移動が可能です。また、楽天証券では提携金融機関のネットバンキングから手数料無料で即時入金できる「リアルタイム入金」もあるので、らくらく出入金と組みわせることで資金移動がさらに便利になります。
1-4 ハッピープログラム
マネーブリッジを設定すると、楽天証券での取引に応じて楽天ポイントを貯められるハッピープログラムにエントリーできます。
ハッピープログラムでは、現物の国内株式や外国株(一部対象外あり)、先物などの取引手数料に応じたポイントが付与されます。投資信託の残高に応じたポイントや個人向け国債の買付金額に応じて付与されるポイントなどもあるため、証券口座の取引で楽天ポイントを効率的に貯められます。
また、楽天証券での取引に応じて楽天銀行ハッピープログラムの取引件数が獲得でき、会員ステージに応じてATM手数料の無料回数が増えるなど、楽天銀行での様々な特典も受けることができます。
1-5 残高表示サービス
楽天証券のWEBページ上で楽天銀行の普通預金口座の残高を確認できる残高表示サービスもマネーブリッジの特徴です。
これにより、証券口座の資産状況と普通預金の残高を確認しながら証券口座で運用する資金の移動などを検討しやすくなります。なお、残高表示サービスはマネーブリッジに申し込むだけで利用可能なため、面倒な手続き等は不要です。
1-6 投資あんしんサービス
投資あんしんサービスは、楽天証券の信用取引口座を持っている方が利用できるサービスです。信用取引では、取引中の銘柄に一定額以上の含み損などが発生し、取引に必要な最低保証金率を下回った場合、追加保証金(追証)の支払いが必要になることもあります。
追証を支払わない場合、自動的に取引中の銘柄が決済されるため、取引を継続したい場合は必ず追証の支払いが必要です。このようなときに利用できるのが投資あんしんサービスで、追証や不足金の解消を目的とする自動振替を設定しておくことで、追証発生時にも自動的に楽天銀行の普通預金口座から資金が振り替えられます。
また、保証金率が一定の水準を下回った場合に保証金率を回復するため普通預金から資金を振り替えるサービスも利用可能です。
このように、信用取引の証拠金管理で利用できるサービスがあることもマネーブリッジの特徴の一つとなっています。
2 楽天証券のマネーブリッジのメリット
ここからは、楽天証券のマネーブリッジのメリットについて確認してみましょう。
2-1 優遇金利0.1%
楽天銀行の普通預金に0.1%の優遇金利が適用される点はマネーブリッジの大きなメリットです。比較的好金利なネット証券と比べると以下の通りです。
銀行名 | 普通預金 | 定期預金(1年) |
---|---|---|
楽天銀行(マネーブリッジ) | 0.1% | - |
イオン銀行(注) | 0.001~0.1% | 0.01% |
住信SBIネット銀行 | 0.001% | 0.02% |
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行) | 0.001% | 0.02% |
ソニー銀行 | 0.001% | 0.02% |
(注)対象取引の利用に応じて貯まるイオン銀行スコアに応じて変動
例えば、0.1%の金利で100万円を預けた場合の利息は1年間で1,000円となり税引き後の手取り額は790円です。単年ではわずかな利息でも、何年も積み重ねれば数万円の差が生まれることもあります。
マネーブリッジでは、楽天銀行の普通預金口座に預けておくだけで高い利率が適用されるため、積極的な資金運用は面倒という方にも向いたサービスとなっています。
2-2 待機資金にも金利が付く
楽天証券のマネーブリッジは運用前の待機資金にも金利が付きます。自動入出金のスイープを設定することで証券口座の資金を自動的に普通預金口座に振り替えることもできるため、手間をかけることなく運用前や運用後の待機資金にも0.1%の利息が付きます。
2-3 投資商品の購入が手軽になる
入出金に手間がかからない点もマネーブリッジのメリットです。本来、証券口座の資金が不足していれば、銀行口座の残高確認や銀行口座からの入金処理などの手間が必要ですが、例えば楽天銀行で給与を受け取る設定にするだけで、マネーブリッジによりそのまま投資用のお金として使うことができます。
2-4 ハッピープログラムで楽天ポイントが貯まる
ハッピープログラムは事前のエントリーが必要になりますが、現物株や投資信託などの幅広い取引でポイントを貯めることができます。貯まったポイントは楽天ポイントに振り替えることができるため、楽天市場などの買い物や様々なサービスに利用できます。
3 楽天証券のマネーブリッジのデメリット
楽天証券のマネーブリッジを利用する際は以下のポイントに注意することも大切です。
3-1 銀行預金の残高が自動的に少なくなる・無くなる
投資あんしんサービスでは、設定によって追証への対応や証拠金率が一定水準を下回らないように管理することが可能です。
元から損失がある程度発生しても取引を継続する予定であれば、自動的に振り替えられても問題ありませんが、設定がそのままになっていると相場の動きによってはさらに保証金率を維持するための自動振替が行われるため、普通預金の残高が無くなったり、不足金が発生して更なる支払いが必要になったりする可能性もあります。
そのため、保証金率等の回復を目的とする自動振替の設定時は、追加保証金等・不足金の解消を目的とする自動振替時は、銀行の預金残高をいくらにしておくかも気を配ることが大切です。
3-2 入出金を行えない時間帯がある
楽天証券では、営業日の7時30分~7時40分、15時30分~17時15分、翌営業日の3時〜6時は定期メンテナンスのため、らくらく入出金、自動入金、リアルタイム入金などを行えません(通常振込入金は可能)。また、リアルタイム入金の定期メンテナンス時間は提携先金融機関によっても異なります。
4 楽天証券のマネーブリッジの評判
楽天証券のマネーブリッジを利用している利用者からは以下のような意見や感想が寄せられています。
- 運用していない資金に0.1%の金利が付けられる
- 楽天間でなくてもリアルタイム入金の手数料が無料
- 楽天銀行内の口座残高で買い付けできるから入金手続きが要らない
- 入出金できない時間は不便に感じた
※いずれも個人の感想です。サービスに関してご自身でもよくお調べの上、ご利用をご判断ください。
楽天証券のマネーブリッジは、優遇金利0.1%で維持コストもかからないため、証券口座をあまり利用しない方からも高く評価されています。また、楽天証券を利用されている方からも振込や入金手続きの手間がなくなったと評判です。
一方、らくらく入出金などは原則24時間できるものの、定期メンテナンスによって行えない時間帯があることを不便に感じているユーザーもいます。
5 楽天証券のマネーブリッジの始め方
楽天証券のマネーブリッジを始めるためには、楽天証券の証券総合口座と楽天銀行の普通預金口座の開設が必要です。楽天証券口座および楽天銀行口座を持っていない場合、新規口座開設の申し込みを行います。このとき、楽天会員でない場合は、メールアドレスの登録から行います。楽天会員の場合はログインして口座開設手続きを済ませます。
マネーブリッジの申し込みは楽天銀行から行います。両方の口座が開設できたら楽天銀行にログインし、「商品・サービス一覧」から「マネーブリッジ」を選択、利用規定に同意の上、画面の指示に従って暗証番号などを入力すれば手続きは完了です。
17時までに申し込みを完了した場合は原則当日中に設定完了の案内がメールボックスに届き、マネーブリッジを利用することができます。
なお、マネーブリッジの優遇金利は月末までに設定が完了している方に翌月1か月間適用される金利です。そのため、新規で申し込みをした場合、優遇金利0.1%の適用は翌月からとなります。
まとめ
マネーブリッジは楽天証券と楽天銀行の口座を持っていれば無料で申し込むことができ、優遇金利、手数料無料で自動入出金など様々なメリットのあるサービスです。また、ハッピープログラムにより取引に応じてポイントも貯まるので、ポイ活を積極的に行いたい方にも向いています。
楽天の証券口座や銀行口座はネットから手軽に開設できるので、マネーブリッジの特徴をしっかり把握した上で、関心のある方は検討を進めてみてください。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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