【今日のポイント】
金融機関での相続手続きについて、今までもアウトラインについては何度か紹介してきましたが、今回は具体的な手続きや必要書類をまとめた資料を入手しましたので、実例を基に具体的な紹介をしていきたいと思います。
紹介した画像や事例は、2008年2月に発行されたみずほ銀行における「相続の手続きが完了するまでの取引について」です。最新の内容と相違があるかもしれませんので、あくまでも参考事例のひとつとして認識して下さい。
【口座凍結に関して】
正式な文書では、凍結という表現は無く、「相続の手続きの完了までは預金の引き出し、入金については取扱いが出来なくなる」とあります。
口座振替の契約がある場合は、振り替えも停止となります、自動引落しの公共料金や、家賃等は別途支払わなくてはいけなくなります。
この逆の、家賃収入など振込入金の口座としていた場合も、まず先方の金融機関に今回の旨を連絡し、依頼人の指示によって取り扱いをすることになります。具体的には入金指定口座を変更、または新設することとなります。
【残高証明の発行】
相続財産の確定の為には、残高証明は欠かせない資料になります。
この場合は
1)相続人
2)遺言執行者
3)相続財産管理人
に限り、このうちの一人が直接窓口に出向いて依頼することで発行されます。
その場合、以下の書類を事前に用意し、持参する必要があります。
1)被相続人が死亡したことが確認出来る戸籍謄本等
2)相続人、遺言執行者、相続財産管理人であることがわかる戸籍謄本、審判書等
3)相続人、遺言執行者、相続財産管理人の印鑑証明書
また、相続人の場合は、「残高証明依頼書」に被相続人(預金者)の氏名と、相続人(依頼人)の氏名を記入し、依頼人の実印を捺印することになります。
【相続手続きに必要な書類】
さて、相続手続きに関しては、上記以外にも下記の書類が必要となります。
1)相続関係届出書
発行先は、銀行窓口です。 ~後述します
2)亡くなった方(預金者)の戸籍謄本等
本籍所在の自治体で発行されます。
「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本の全て」を用意します、
要は相続人全員が確認出来る戸籍謄本全てという事になります。
また、相続人が兄弟姉妹の場合は、「亡くなった方の両親の戸籍謄本(16才以降)」が
必要になります。
3)相続人の戸籍謄本
本籍所在の自治体で発行されます。
結婚や養子縁組などで除籍されている相続人の方は「現在の戸籍謄本」を用意します。
4)相続人の印鑑証明書
現住所の自治体で発行されます。
発行から3カ月以内のものです。
相続人全員分、各1通用意します。
※正確には1)の相続関係届出書に署名、捺印される相続人の方の分です)
※海外居住の場合で印鑑登録をしていない場合は、
大使館や領事館で発行する「サイン証明書」を用意します。
5)預金の場合は、預金通帳・証書・キャッシュカード
保護預け債権の場合は、保護預り通帳・証書
貸金庫の場合は、鍵・入室用カード
カードローンの場合は、カードローンカード
※マル優、貸金庫、カードローンの取引がある場合は解約届等」も必要です。
6)相続人の実印、取引印
払い戻しの場合は「実印」
名義変更の場合は引き継ぐ方の「取引印」
7)払戻請求書、入金票、振込用紙
銀行窓口で用意されています。
8)遺言書(ある場合)
遺言書・遺言検認調書謄本、但し公正証書遺言の場合は後者は不要です。
遺言執行者選任審判書、但し遺言書で執行者が選任されている場合は不要です。
9)遺産分割協議書(ある場合)
※相続人に未成年者がいて行う場合は「特別代理人」選任が必要です。
10)調停調書・審判書
家裁が発行します。
家裁の調停、審判があった場合、「調停調書正本」「謄本審判書正本」
または「謄本及び審判確定証明書」を用意します。
【相続人の範囲】
添付画像は実物です。
画像にある「第一順位」は被相続人の「子」を指します。
「子」が亡くなっている場合は「孫」がいれば代襲相続人となります。
「第二順位」は被相続人の親や祖父母等「直系尊属」を指します。
画像はありませんが、もうひとつ「第三順位」があります。
父母の一方のみを同じくする場合を含めた「兄弟姉妹」を指します。
第一、第二順位相続人がいない場合、対象になります。
既に亡くなっている場合は、その子「甥や姪」が代襲相続人になります。
【相続関係届出書】
・右上の日付欄は「書類を提出した日」を記入します。
・被相続人欄は、亡くなった方(預金者)の氏名と死亡年月日を記入します。
・相続関係者欄は、必ず本人が自署、実印を捺印します。
次は、「預金内容」欄に記入します。
・相続預金の表示・取扱内容・取扱日欄には
預金の種目と、口座番号を記入します。
総合口座に定期預金がある場合は「普通預金」「定期預金」に分けて記入します。
定期預金で数口ある場合はまとめて記入します。
・預金名義欄には、通帳や証書等の名義人(被相続人)の氏名を記入します。
・預金額欄には、この書類の提出日当日の預金額を記入します。
※事前に銀行に残高を確認、又はATMでの記帳で確認出来ます。
次は、「取扱内容」欄に記入します。
・払戻・名義書替区分欄は、以下の中なら希望する項目に〇をします。
「払戻~入金」
同支店の別口座や、別支店の口座に入金の場合です。
入金する口座の通帳が必要になります。
「払戻~現金支給」
指定の銀行、支店の口座へ振り込みの場合です。
現金をその場で支払うものではありません。
「名義書替」
相続人の名義に変更する場合です。
・払戻または名義書替を受ける者(払戻時入金指定口座)欄に記入します。
「払戻~入金」の場合は払戻を受ける方の氏名と入金希望の口座番号
「払戻~現金支払」の場合は払戻を受ける方の氏名
「名義書替」の場合は名義変更を受ける方の氏名
・取扱日(払戻または名義変更の日)
これは記入は不要です。
・払戻印、または新取引印欄に捺印します。
払戻の場合は、「実印」
名義書替の場合は、「新取引印」=お届け印となります
※払戻手続きには払戻請求書の提出が必要です、定期預金が数口ある場合でも請求書は一枚で大丈夫です、また相続人が複数になる場合は別途説明となります。 証書の場合は請求書の提出は不要で、裏面の所定箇所に署名・捺印となります。
通帳や証書、カード等を喪失されている場合、
取引種目(普通預金等)
口座番号
名義
喪失した物件名~通帳、カード等
を記入し、相続人代表者の実印の捺印となります。
最後に、「添付物件」欄を確認し、事前に必要とされた書類等、該当する項目に〇をつけます。
また予め〇のついた項目は必ず提出するものとなります。
※上記以外に画像にある「保護預け債権」「貸金庫」「その他」に関しては、
取引ある方のみに説明となっています。
書類作成時の注意事項としては、記入内容に相違があった場合、訂正印が必要になりますが、これは「相続関係者全員」の訂正印となりますので、無駄な時間と手間をかけない為にも作成時には特に注意が必要です。
長々と説明してきましたが、被相続人が複数の銀行等に口座を持っている場合、上記した手続、その為の資料収集と作成を二度三度と繰り返すことになります。 相続発生時の手続きを少しでも減らす為にも、存命中に口座の統合や解約については早めの実施をお奨めします。
※平成29年5月29日からは「法定相続情報証明制度」が始まり、収集すべき資料が削減されています、あくまでも2008年(平成20年)時点での手続きとそれに伴う必要資料の紹介である点をお忘れなきようお願い致します。
"普通預金" - Google ニュース
February 14, 2020 at 08:56AM
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銀行での相続手続について :行政書士 寺田淳 - JIJICO
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