東京地裁は7日までに、保釈中にレバノンに逃亡した前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(65=会社法違反などの罪で起訴)が納付した保釈保証金15億円を没取する決定をした。昨年12月31日付。

15億円は国庫に入る。没取金額はイトマン事件の許永中・元不動産管理会社代表の6億円を大きく上回り、過去最高額とみられる。

ゴーン被告の無断出国は保釈条件違反に当たるとして、地裁は昨年12月31日に保釈を取り消す決定をしていた。

ゴーン被告は2018年11月19日に東京地検特捜部に逮捕され、19年3月6日、保証金10億円を納付して保釈された。同4月4日に4回目の逮捕となり、同25日に保証金5億円を納付して再び保釈されていた。

日本とレバノンの間には犯罪人引渡条約がなく、身柄の引き渡しが実現する可能性は低い。2020年4月に開始予定だった公判は見通しが立たなくなっている。(共同)