長期金利の上昇を受け、「金利100倍」の動きも見えてきた。
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- 日銀による金融政策修正の影響を受け、長期金利が上昇している。
- そこで先手を打ってきたのが三菱UFJ銀行だ。これまでの0.002%から0.2%へと金利100倍を実現させた。
- 大和ネクスト銀行もそうした動きに追随。このまま超低金利時代の終焉が、ついに訪れようとしているか?
日本経済に打ち込まれた超低金利という大きな楔が、いよいよ引き抜かれようとしているのだろうか。
2023年11月初頭、大手銀行による定期金利引き上げの動きが複数のメディアで報じられ、テレ朝やNHKのサイトでは「定期預金金利100倍」という見出しが画面を躍った。
事実、三菱UFJ銀行の定期預金は10年定期の金利がこれまでの0.002%から0.2%へと引き上げられ、報道通りの「金利100倍」を体現。FNNプライムオンラインなどの報道によれば、三井住友銀行も同水準となる0.002%から0.2%への引き上げを決めており、みずほ銀行も引き上げを検討中なのだという。
また、大和ネクスト銀行は、11月8日より円定期預金金利を引き上げるという内容のリリースを出して、この流れにいち早く追随している。
言うまでもなく、今回の預金金利引き上げは長期金利の上昇に連動したもの。その背景には日銀による金融政策修正の影響がある。
直近となる10月31日の金融政策決定会合ならびに日銀総裁定例会見では、長期金利の上限1.0%超えを容認するとしたYCC(長短金利操作=イールド・カーブ・コントロール)の再修正があった矢先のこと。今後も日銀がさらなる政策修正を行なうだろうという見方もあり、引き続き金利の動向は目が離せない状況だ。
メガバンクでは三菱UFJが先手
ここからは2023年11月時点のメガバンク3行、三大地銀を含む大手地方銀行6行、そしてインターネット専業銀行の普通預金と定期預金の金利を、11月7日時点(大和ネクスト銀行のみ11月8日時点)の情報でまとめてみよう。
なお、2023年4月、ならびに2023年8月と定点観測してきた各行の「普通預金金利」「定期預金金利」にくわえ、今回は「定期預金金利(10年定期)」を追加している。 まずはメガバンクだ。
金利上昇に先鞭をつけたのは三菱UFJ。それ以外は、いまだ変化なしだ。しかし、両行ともに報道は出ているので、近い将来大きな動きが期待できる。
大手地銀は相変わらずの横並び
大手地方銀行については、いまのところまったく動きがない。しかし、次回の定点観測では、動きがある可能性は高そうだ。
ネットバンクは大和以外も細かく変化
インターネット専業銀行(ネットバンク)からは、前回までの調査時と同じ9行をピックアップして定点観測している。ここには、10年定期預金金利を引き上げた大和ネクスト銀行が含まれる。
ネットバンク各行は、定期預金金利をいち早く上げた大和ネクスト銀行のみならず、メガバンク・大手地銀などと比較して、預金金利のバリエーションが幅広い。
三菱UFJ銀行と大和ネクスト銀行の10年定期預金金利0.2%が、いわゆる「金利100倍」として報道で話題になったが、ネットバンクではすでに0.2%の定期預金金利は存在し、ソニー銀行の10年定期では、さらに倍の0.40%である
激動の予感がする2023年11月
日本国内情勢では日銀の長短金利操作の運用柔軟化、そして国外の情勢では依然として継続中の米国の高金利と、ここしばらくは日本の長期金利は上昇路線にあると言ってよさそうだ。これに連動して、すでに報じられている銀行を中心に定期預金金利が順次引き上げられていくことになるだろう。
0.002%から0.2%への預金金利引き上げというと、100万円を1年間預けた際の利息が20円から2000円に上がったというレベル。これを大きいと見るか微々たるものと見るかは人それぞれだが、ゼロ金利やマイナス金利といった道をたどってきた日本の金融にとっては、今後大きな意味を持つ変化の入り口になるかもしれない。
今後も日本国内の銀行預金金利について、定期的にレポートしていきたい。
からの記事と詳細 ( 金利100倍も登場した2023年11月、各銀行の「預金金利」はいくら? - Business Insider Japan )
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