表彰台に上がった3人、優勝した羽生結弦(26=ANA)、2位宇野昌磨(23=トヨタ自動車)、3位鍵山優真(17=星槎国際高横浜)。昨年大会と同じ顔ぶれとなった記者会見で、それぞれの印象を語る場面があった。

羽生 まず宇野選手は、本当なんかすごく憧れてくださってありがとうございますという気持ちがあって。昌磨とはノービスの頃から試合に出て、あんな小さかったころが懐かしいなって。この子に持っている表現の仕方、所作のきれいさ、そういったものは本当に努力して、心から辛くなる時期もあったと思うし、それを押し殺してまでやってこられたと尊敬しているし、何より心の強いファイターだなと思っています。鍵山選手に関しては、ステップ、スピン、ジャンプも、あれだけ勢いをつけて跳べる。あれだけの衝撃をずっと体で耐え続けている。ちゃんとケガをせずにコントロールできているのは、若いながらも勉強させてもらっているし、尊敬している点です。

宇野 ゆづくんは僕にとってずっと目標。本当に最終目標とずっと言い続けて。試合が1年ぐらいなく、どうなっていくんだろう、どうなるんだろうと思いながら練習をする時期がかなりありました。ステファンコーチに恵まれていたので、スケートを楽しむ、僕が今までスケートを頑張ってきたご褒美だと思って練習していたんですが、この大会に出て、本当にこの大会は自分にとって良い演技でした。ただ、ゆづくんの演技を生で見て、こんなにも差があったんだって思いましたし、失礼な発言になるかもしれませんが、すごくうれしかったです。改めて僕の目標がゆづくん。どの大会ではなく、たぶん目標がゆづくんなんだなって思いましたし、まじですげえなって思いながら、見させていただきましたし、本当にうれしかったです。鍵山選手についてですが、結構年が僕はずっと下っ端だと思いながらスケートをやってきたのに、気付けば下から年下の子がここまで成長して。たいそうなことは言えないですけれど、すごいスケート界は不思議だな、と。絶対に途切れないように実力のあるうまい選手がこうして現れる。鍵山選手の演技を見て「僕もこういう時期あったな」、単純に「僕よりうまいな」と思う。SP3位っていう順位も悔しいっていうより、自分がミスした結果であり、順当だなと受け入れることができていましたし、僕がたいそうなことを言えるわけではないんですが、時の流れを感じました。

鍵山 僕は羽生選手、宇野選手はまだまだ遠いなと実感して、フリーでノーミスしても勝てなかったと思っているので、自分に足りないものがある。もっと練習が必要だと思いました。自分も羽生選手、宇野選手は最終目標。次戦の時までにどれぐらい近づけていけるか。もっと練習してできればいいなと思います。この全日本選手権で滑ることが出来て、すごく楽しかったですし、自分にとってもすごくいい刺激になったので、これを練習に生かしていきたいと思っています。