勝敗を占うポイントは3つ
競馬の世界には「両雄並び立たず」という言葉がある。2強対決の場合、ライバルを意識するあまり、ワンツーフィニッシュとはいかず、第3の馬に割って入られるケースは少なくない。 では3強対決の場合はどうか。この仕事を始めたころ、先輩記者から「2強対決はどちらかの馬が飛ぶけれど3強対決では1、2、3決着は成立する」と教えられた。 実際2000年の天皇賞・春は1番人気のテイエムオペラオーが1着、3番人気のラスカルスズカが2着、2番人気のナリタトップロードが3着に入った。 では、3強のうち勝つのは、どの馬か。 前日売りの単勝オッズを見ると、1番人気はアーモンドアイの2.2倍、2番人気がコントレイルの3.1倍、3番人気がデアリングタクトの3.5倍となっている。ファンの支持は8冠馬のアーモンドアイだ。 勝敗を占うポイントは3つある。世代間のレベル差、臨戦過程、今秋の芝への適性だ。 世代間のレベル差は、夏競馬の結果がひとつの指標となる。名伯楽の伊藤雄二・元調教師から教わった言葉のひとつに「有馬記念のころになると3歳馬の成長が古馬に追いついてくる」というものがある。11月下旬のレースだから成長度で言えば3歳馬が古馬に追いつく寸前といったところか。結果だけを見れば、今年の3歳馬全体のレベルはそこまで高くない。
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