最後の打球がソフトバンクの二塁手、周東佑京のグラブに収まると、ドームの天井から驚くほど大量の金の紙吹雪が落ちてきた、その中でソフトバンクナインが歓喜の雄たけびを上げた。
それは素晴らしいシーンではあったけれども、ここまで「一方の雄」が弱すぎると、日本シリーズの価値や権威までもが、かすんで見えてしまう。
なぜ、巨人は2年連続で全くソフトバンクに歯が立たないままに敗退したのか?
直接的には10月以降の両軍の勢いの差や、本拠地でない京セラドーム大阪で戦ったことなど、いろいろな原因があげられるだろうが、マクロでみれば、筆者は2つの数字的な観点からこの敗北を見ることができると思う。2回に分けて論じたい。
沢村賞、実は5年連続で「セの投手」が受賞
ひとつは「昭和の野球」が「平成、令和の野球」に負けたという観点である。
日本シリーズや交流戦で、セ・リーグはずっとパ・リーグに敗退しているが、両リーグ通じて「最高の先発投手」に与えられる「沢村賞」は、2015年以降、今年の中日、大野雄大を含め、5回連続でセの投手が受賞している(2019年は該当者なし)。
「沢村賞」は、先発完投型の投手を理想形としている。セ・リーグの投手が連続で選出されているのは、セの投手起用が沢村賞の理念である「先発完投」を重視しているからだ。これに対してパ・リーグはそこまで重視していないから、沢村賞を受賞する投手が出てこないのでは、という一面があるのだ。
以下、ここ5年間の両リーグのセーブ数、ホールド数、完投数の推移。カッコ内は試合数に占める完投数の割合である。
2016年
セ 200SV 530HD 47完投(5.48%)
パ 219SV 541HD 46完投(5.36%)
2017年
セ 195SV 620HD 34完投(3.96%)
パ 221SV 610HD 57完投(6.64%)
2018年
セ 204SV 585HD 43完投(5.01%)
パ 213SV 617HD 42完投(4.90%)
2019年
セ 188SV 697HD 30完投(3.50%)
パ 225SV 754HD 19完投(2.21%)
2020年
セ 154SV 518HD 36完投(5.00%)
パ 175SV 558HD 19完投(2.64%)
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